基礎(基本)の重要性について(2)
「ツボ」が何であるかが、わかったのが2、3年目あたりでした。
更に研究を重ねて経絡(けいらく)がわかってきたのが10年超えたあたりでした。
基本動作についても感覚だけでなんとなく理解していましたが、次第に原理までわかるようになってきました。
振り返ってみると初期の頃に習ったことを愚直にまで実践してきただけだなと思います。
当時と言えば、先輩方や先生方はこと細かい指導はしていませんでした。
「だいたいこんな感じ」、「こんな風にやる」ぐらいで...それでも非常に少ない情報ながらもそれらを頼りに大事に大事に扱ってきたわけです。
その後も、毎年、毎年、成長出来ているなと感じます。
はじめの頃に基礎をみっちりやっていたからだなと思います。
ビルの建設と似ています。
基礎、地盤がしっかりしていなかったら高いビルを建てるのは無理でしょうし、無理して高いビルを建てようとするのも危険です。
人生も同じようなもので、努力したものがきっちり積みあがっていくには、やはり基礎が重要ということでしょう。
基礎を重視してきて良かった点はたくさんあります。
自分の身体も壊すことも少ないし、お客様の身体も同様に壊すリスクが年々減ってくるということです。
人間の関節は決まった方向にしか動きません。
無理な力が毎度毎度加わればいずれかは故障の原因になりかねません。
これについても当初からしつこく聞かされていました。
拇指、手首、肘、首、肩、腰など...施術者は長年やっているとあらゆるところに不調が出てくることがあり、酷い場合は仕事を続けられなくなることが多々あると。
はじめに間違ったやり方を覚えると、その後もずっと間違ったやり方を続けることになり、年々関節などにダメージが蓄積していきます。
病院に通う施術者も多いと聞きます。そのまま我慢してやり続けますと、腱鞘炎を通り越して、慢性的な症状になります。
もうこうなると治癒不可能な状態になってきます。関節が完全に変形してしまいます。
お客様の身体も同様、筋肉や関節など無理な力が加われば改善するどころか余計悪くなるケースというのは多々あります。
基礎(基本)というのは、原理原則やものごとの道理ということなんですね。
無理ではないやり方がある。強引ではないやり方がある。ということなんです。
そして、基礎というのは単に物理的なことだけを言うのではなく、精神的なことも含むということでもあります。
取り組む姿勢や態度、心構えなど。
いかに我流(勝手な自己流解釈をせずに)にならず、先生などに言われたことを素直に実践し続けられるかということ。
「基礎こそものの到達点」と言いましたが、これは誰それよりも上に行ける。
というよりもその人のポテンシャル(潜在能力)を最大限に引き出すということでもあります。
人に負けたりするのは悔しいことですが、自分の力を最大限に発揮できないほうが、もっと悔しいことではないでしょうか。
自分はもっと出来たのに...出来るはずなのに...勝敗だとかは最終的に、素質や才能が関わるでしょう。
しかし大事なことは、自分の能力、個性を発揮しきることだと思います。
基礎をやり続けて15年。今思うこと
私の過去の例で基礎についてお話させていただきました。
基礎をはじめにおろそかにすると、後から来た人に簡単に追い抜かれたり、負けてしまったりと悔しい思いをすることが出てくることが多々ありうるでしょう。
素質と才能の問題もあるとは思いますが、そう簡単に片付けられることではありません。
これが実際の現実社会と捉えると、どうなるでしょうか?と考えたくもないですが、仮に自分の運営する店舗の近くに、同業の方が後から増えだしたら...厳しいようですが、現実としては、このように競争原理の側面はありうるわけです。
私のことを言えば、15年ほどにして今が一番良い状態かなと思います。
特に指や肘や腰なども壊してはいませんし、当初、不安で手探りだった施術の進め方も、年々、明瞭になってきて落ち着いて施術に取り組めるようになってきました。お客様も口コミですが、少しづつ増えてきました。
これも地道に基礎を重視し続け、地盤を固めながらやってきたからだと思っています。
過剰な自信ではありませんが、分相応の自信が身についてきていると実感します。
独立開業して大きな不安なことは、お金の面と自分の施術の内容でした。
が、これらについても、今ではお客様と信頼関係を築ける人も増えてきて、毎週ご予約をいただいたり、しばらく先に予約が入っているケースも増えてきました。
更に、ご紹介もいただけるようなケースも増えてきました。
また、年々、身体の仕組みや私がやっている施術でのツボや経絡の仕組みそのものがわかってきています。
それにより症状改善への施術の取り組みも、不明な点が減ってきてより自信をもって取り組めるようになってきました。
ここで改めてお伝えしたいことは、
『顧客となるお客様との繋がりでさえも基礎(地盤)があり、施術の内容そのものも基礎があって、ちょっとずつ上積みされていく面がある』ということ。
ちょっとずつでもしっかり上積みされている実感が持てると、その分自信がつき諸々の不安も解消されます。
私個人としても、当初は不安がかなり大きかったためそれが減ってきたことは非常に助かっていると感じています。
不安が減る点と言えば、競争原理からの不安も減ります。
基礎(地盤)がしっかりしてくるとそういったことからもあまり左右されなくなってくるのです。
勘や感覚重視から基礎重視へ切り替えたとお話しましたが、勘や感覚というのも施術においては非常に重要な要素であります。
しかしながら、基礎的なことがあってそれらは活かされるものです。
厳しいようですが、基礎をないがしろにしてしまうと、将来的に頭打ちになる可能性が大きいです。
勘や感覚が鋭い人であっても努力が、真に上積みされていきにくいからです。
施術のすすめかたも、だんだん、どうしてよいかわからず迷宮入りしてしまう可能性も大きくなります。
施術の内容も不明瞭だと、施術の結果もムラが出で来ることが予想されますが、そうなると経営面、収入面でも見通しつきづらく不安定になることが考えられます。
私自身は、数々の失敗と、かなりの時間を要して基礎の重要さに気づきました。
不安になるようなことばかり申し上げてしまいましたが、本心としては、たくさんの方にこのことに早くに気づいていただき、出来るだけ無駄な時間を要せずに技術を習得、成功する方が増えるのを願う気持ちです。
TAOツボ押し整体では、基礎を重要視しています。
まだまだ基礎ついては、別な角度でもってお話したいことがありますので、また別の記事にて、ご紹介できたらと思います。
長文ご拝読ありがとうございます。
※この記事は2020年8月3日に公開し、2022年9月30日に加筆・修正をして再投稿しました。